一般社団法人広域重度ケア連携機構
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【家族向け】特別児童扶養手当と障害児福祉手当、もらい忘れていませんか

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家族向け|手当・申請

特別児童扶養手当と
障害児福祉手当、もらい忘れていませんか

障害のあるお子さんを育てる家庭に支給される、特別児童扶養手当と障害児福祉手当。申請しなければ受け取れず、過去にさかのぼっての支給は原則ありません。二つの手当の違い、令和8年度の金額、対象になる人、申請の流れ、そして見落としがちな注意点までを、順を追って整理します。

  • 二つの手当の違い
  • 金額と対象
  • 所得制限の注意点
  • 申請の流れ

障害のあるお子さんを育てるご家庭には、国から支給される手当がいくつかあります。なかでも代表的なのが、特別児童扶養手当障害児福祉手当です。申請して認められれば年に数回まとめて支給される、家計にとって大きな支えになる制度です。

ところが、この手当を「知らなかった」「申請していなかった」というご家庭は、決して少なくありません。手当は、原則として自分で申請しないと受け取れません。役所が自動的に支給してくれるわけではないのです。制度を知らなければ、本来受け取れたはずのお金を、まるごと取りこぼしてしまうことになります。だからこそ、「もらい忘れていませんか」と、あらためてお伝えしたいのです。

なお、金額は毎年度改定され、所得制限や手続きの細かい運用は自治体によって異なります。最終的には必ずお住まいの市区町村の窓口で確認していただくことを前提に、まずは全体像をつかむための記事としてお読みください。

OVERVIEW|二つの手当

まず、二つの手当の違いをざっくりつかむ

名前が似ていて混同しやすいのですが、特別児童扶養手当と障害児福祉手当は、性格がはっきり違います。

保護者を支える

特別児童扶養手当

障害のある子どもを育てている保護者(監護する父母や養育者)に支給されます。対象の障害は中程度以上から重度まで幅があり、程度に応じて1級・2級に分かれます。

本人の負担を軽く

障害児福祉手当

重度の障害があり、日常生活で常に介護を必要とする子ども本人に支給されます。特別児童扶養手当よりも対象の障害が重く、常時介護が必要な状態であることが条件です。

両方もらえることがある

この二つは別の制度なので、両方の要件に当てはまれば、両方を同時に受け取ることができます。「どちらか一つしか選べない」と思い込んで片方しか申請していないケースもあるので、注意してください。

DETAIL 1|特別児童扶養手当

特別児童扶養手当をくわしく知る

特別児童扶養手当は、「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」にもとづく国の制度です。20歳未満で、政令で定める程度の障害のある児童を家庭で監護・養育している父母または養育者が対象になります。障害の程度によって、重いほうから1級・2級に区分されます。

気になる金額です。手当は障害の程度(等級)によって異なり、令和8年度(2026年4月分から)の月額は次のとおりです。

  • 1級:月額 58,450円(年間にすると70万円超)
  • 2級:月額 38,930円

これは1人の対象児童あたりの金額です。物価などに応じて毎年度改定されるため、最新の額は必ず自治体の窓口や厚生労働省の情報で確認してください。

支給は毎月ではなく、原則として4月・8月・11月の年3回に分けて、前月までの数か月分がまとめて振り込まれます。そして大切な点として、申請が認められると申請した月の翌月分から支給され、さかのぼって過去の分までもらえるわけではありません。だからこそ、対象になりそうだと思ったら一日でも早く申請することが大切です。

手帳がなくてもあきらめない

対象になるかどうかは、原則として申請時に提出する専用の診断書(所定の様式)にもとづいて判定されます。手帳を持っていなくても、診断書の内容によって対象と認められる場合があります。逆に手帳があっても判定の仕組みは別なので、必ずしも一致しません。「手帳がないからどうせ無理」とあきらめるのは、もったいない判断になりえます。

対象にならない場合。対象児童が児童福祉施設などに入所しているとき、その障害を支給事由とする年金を受け取っているとき、対象児童または申請者が日本国内に住所を有しないときは、原則として支給対象外になります。施設入所が対象外になるのは、施設で生活の支援を受けているためと整理されています。

DETAIL 2|障害児福祉手当

障害児福祉手当をくわしく知る

障害児福祉手当は、精神または身体に重度の障害があるために、日常生活で常時の介護を必要とする、在宅の20歳未満の人に支給される手当です。重い障害によって生じる特別な負担を軽くすることを目的としています。特別児童扶養手当が「保護者」に支給されるのに対し、こちらは「重い障害のある本人」に支給される、という違いを思い出してください。

金額は、令和8年度(2026年4月分から)で月額 16,560円です。特別児童扶養手当と比べると小さく見えますが、これは「常時介護を要する重度」という、より限定された対象に上乗せして支給される性格のものだからです。両方の要件を満たせば、合わせて受け取れる可能性があります。

支給は原則として2月・5月・8月・11月の年4回で、特別児童扶養手当とは支給月が異なります。こちらも申請した月の翌月分から支給が始まります。対象は重度の障害があり常時介護を必要とする在宅の20歳未満の人で、障害の程度は特別児童扶養手当の1級よりもさらに重い状態が想定されています。なお、障害を支給事由とする年金を受け取っているときや、施設に入所しているときは支給されません。在宅であることが条件である点は、ここでも共通しています。

20歳の節目に注意

障害児福祉手当は20歳未満が対象です。20歳になると、20歳以上で在宅の重度障害者を対象とする「特別障害者手当」(令和8年度で月額30,450円)へバトンタッチしますが、この切り替えは自動では行われず、改めて申請が必要です。知らないと20歳の瞬間に手当が途切れ、何か月分も取りこぼすことが起こりえます。20歳が近づいたら、早めに窓口で確認しておきましょう。

SIMULATION|合算するといくら

二つを合わせると、どのくらいになるのか

両方の手当を受け取れた場合に、合わせていくらになるのかを具体的にイメージしてみましょう。あくまで令和8年度の金額にもとづく目安です。

特別児童扶養手当1級 58,450円 + 障害児福祉手当 16,560円 = 月額 75,010円。年間にすると、およそ90万円。

── 重度の障害があり常時介護を要する在宅のお子さんで、所得制限にかからない場合の目安

これは、けっして小さな額ではありません。療育やケア、通院にかかる費用、あるいは親が仕事をセーブせざるをえないことによる収入の減少を考えれば、この支えがあるかないかで家計の安心感は大きく変わります。

もちろん、すべてのご家庭がこの金額を受け取れるわけではありません。2級であれば特別児童扶養手当は38,930円になりますし、常時介護の要件に当てはまらなければ障害児福祉手当は対象外、所得が制限を超えていれば支給は止まります。それでも、「自分の家はいくらの対象になりうるのか」を知っておくことは、申請に向けて動く動機になります。まずは可能性を知ること。そこからすべてが始まります。

INCOME LIMIT|所得制限

共通する重要ポイント、所得制限

二つの手当に共通する重要な注意点が所得制限です。受給者本人、その配偶者、そして扶養義務者(同居している一定の親族など)の所得に応じた制限が設けられており、前年の所得が定められた限度額以上である場合には、その年度(おおむね8月から翌年7月まで)は手当が支給されません。

知っておきたいのは、所得制限の限度額が近年の物価や賃金の上昇に対して必ずしも見直されていない点です。そのため、収入がわずかに増えたことで限度額を超えてしまい、手当が受け取れなくなるケースもありえます。とくに特別児童扶養手当は金額が大きいため、所得が限度額を1円超えるかどうかで、年間の手取りが大きく変わってしまいます。

支給停止でも、認定だけは受けておく。所得が限度額を超えて「支給停止」になっている場合でも、受給資格者としての認定自体は受けておけることがあります。そうしておけば、翌年に所得が下がったときなどに、あらためて支給が始まる道が開けます。「今は所得が高いから関係ない」と完全に離れてしまうのではなく、状況が変われば対象になりうることを覚えておきましょう。具体的な限度額や所得の計算方法は複雑で自治体によって案内も異なるため、窓口で実際の数字をもとに確認するのが確実です。

STEPS|申請

申請の流れと、必要なもの

申請の窓口は、お住まいの市区町村の障害福祉担当の窓口(障害福祉課、福祉事務所など、名称は自治体により異なります)です。特別児童扶養手当は都道府県(または指定都市)が認定する制度ですが、申請の受付は市区町村の窓口で行うのが一般的です。申請にあたって必要になる主なものは次のとおりです。

  • 所定の様式による請求書
  • 対象児童の障害の程度についての医師の診断書(手当専用の様式)
  • 請求者と対象児童の戸籍に関する書類や住民票
  • 請求者・配偶者・扶養義務者の所得を確認する書類(マイナンバー連携で省略できる場合あり)
  • 請求者名義の預金通帳など振込先がわかるもの
  • マイナンバー(個人番号)が確認できるもの

これらは自治体や状況によって変わるため、申請前に窓口へ問い合わせて、自分の場合に何が必要かを確認してから準備すると、二度手間を防げます。

最大の鍵は診断書

手当の認定は診断書の内容が大きな鍵を握ります。作成には時間がかかり、「作成からおおむね2か月以内のもの」といった有効期限があることも。診断書は障害の種類ごとに様式が分かれており(目・肢体不自由・知的/精神など)、お子さんの状態に合った様式が必要です。文書料がかかるのが一般的なので、様式や記載事項を事前に確認し、書き直しや不足が生じないようにしましょう。日ごろの困りごとや介護の実態が反映されるよう、主治医にふだんの様子を具体的に伝えておくことも役立ちます。

申請後は、提出した書類(とくに診断書)にもとづいて審査が行われ、障害の程度が基準に該当するかが判定されます。認定されれば、申請した月の翌月分から手当が支給されます。

RELATED|ほかの支援

ほかの手当・支援との関係も知っておく

この二つのほかにも、障害のあるお子さんやご家庭を支える制度はいくつもあります。全体像をざっくり知っておくと、取りこぼしを防ぎやすくなります。

  • 自治体が独自に設けている心身障害者(児)向けの手当(国の手当と重ねて受け取れる場合あり)
  • 医療費を軽くする制度(子どもの医療費助成、自立支援医療(育成医療)、重度心身障害者(児)の医療費助成など)
  • 20歳前に初診日がある障害について、20歳から受け取れる場合がある障害基礎年金

ただし制度どうしには調整があります。たとえば特別児童扶養手当は、障害を支給事由とする年金を子どもが受け取っている場合には対象外になります。どの制度をどう組み合わせるのが自分の家にとって最適かは、専門職に整理してもらうのが確実です。

大切なのは、「手当はこれ一つ」と思い込まないことです。複数の制度を要件に応じて組み合わせて使えることが多くあります。相談支援専門員や自治体の窓口は制度全体を見渡して案内してくれる存在です。ばらばらに探すより、まず相談の入口を一つ持つことが、結果的に取りこぼしを防ぐ近道になります。

CHECKPOINTS|もらい忘れを防ぐ

「もらい忘れ」を防ぐ6つの要点

この記事のタイトルでもある「もらい忘れ」を防ぐための要点を、あらためて整理します。

  1. 申請しなければ始まらない

    手当は自動的には支給されません。対象になりそうだと思ったら、まず窓口に相談すること。「うちは対象かどうか分からない」という段階でも、相談してよいのです。

  2. 早く申請するほどよい

    手当は申請した月の翌月分から支給され、過去にさかのぼっての支給は原則ありません。迷っているあいだの月の分は戻ってこないため、早く動くほど受け取れる総額の差につながります。

  3. 二つの手当は両立しうる

    特別児童扶養手当と障害児福祉手当は別の制度で、両方の要件を満たせば同時に受け取れます。片方しか申請していないなら、もう片方も対象にならないか確認してみてください。

  4. 毎年の手続き(現況届)を忘れない

    一度認定されれば終わりではありません。多くの自治体で毎年8月ごろに「所得状況届」や「現況届」の提出が求められ、出さないと支給停止に。提出しないまま一定期間(2年など)が過ぎると、時効で受給資格そのものを失うこともあります。

  5. 節目を意識する

    とくに障害児福祉手当から特別障害者手当への切り替え(20歳)は、自動ではなく申請が必要です。お子さんの年齢の節目が近づいたら、手当がどう変わるかを早めに確認しておきましょう。

  6. 所得が変わったら見直す

    所得制限で今は支給停止でも、状況が変われば対象になりえます。受給資格の認定だけでも受けておくと、後々スムーズです。

IN CLOSING|おわりに

使える制度は、きちんと使う

特別児童扶養手当と障害児福祉手当は、障害のあるお子さんとそのご家庭の暮らしを、経済面から確かに支えてくれる制度です。けれども、その存在を知らなければ、あるいは申請という一歩を踏み出さなければ、受け取ることはできません。本来受け取れるはずのお金を取りこぼし続けるのは、あまりにもったいないことです。

気になったら、それが行動のサイン

「うちは申請しているだろうか」「対象なのに見落としていないだろうか」と少しでも気になったら、まずはお住まいの市区町村の障害福祉の窓口に問い合わせてみてください。相談支援専門員や、医療機関のソーシャルワーカーに尋ねるのもよいでしょう。一人で抱え込まず、使える制度はきちんと使う。それは、お子さんとご家族が安心して暮らしていくための、当然の権利です。

まずは可能性を知り、窓口に一歩問い合わせること。それが、もらい忘れを防ぐいちばん確かな近道です。

FAQ|よくある質問

特別児童扶養手当・障害児福祉手当について、よくある質問

手当を検討するご家族から特に多く寄せられる疑問をまとめました。金額や所得制限の具体的な運用は自治体や年度によって異なるため、最終的にはお住まいの市区町村の窓口でご確認ください。

特別児童扶養手当と障害児福祉手当は、両方もらえますか?

はい、両方の要件を満たせば同時に受け取れます。特別児童扶養手当は障害のある子どもを育てる「保護者」に、障害児福祉手当は常時介護を要する重度の障害がある「本人」に支給される、別々の制度だからです。「どちらか一つ」と思い込んで片方しか申請していない場合があるので、もう片方も対象にならないか確認することをおすすめします。詳しくは専門機関へご相談ください。

手当はいくらもらえますか?(令和8年度)

令和8年度(2026年4月分から)の月額は、特別児童扶養手当が1級58,450円・2級38,930円、障害児福祉手当が16,560円です。両方の要件を満たし所得制限にかからなければ、1級と障害児福祉手当を合わせて月額75,010円、年間およそ90万円になる場合があります。金額は毎年度改定されるため、最新の額は自治体の窓口や厚生労働省の情報でご確認ください。

障害者手帳がないと申請できないのですか?

手帳がなくても申請できる場合があります。特別児童扶養手当の対象判定は、原則として申請時に提出する専用の診断書(所定の様式)にもとづいて行われます。手帳を持っていなくても診断書の内容で対象と認められることがあり、逆に手帳があっても判定の仕組みは別です。「手帳がないから無理」とあきらめず、まずは窓口で確認してみてください。詳しくは専門機関へ。

いつ支給されますか?申請した分はさかのぼってもらえますか?

特別児童扶養手当は原則4月・8月・11月の年3回、障害児福祉手当は原則2月・5月・8月・11月の年4回、前月までの分をまとめて支給します。いずれも申請した月の翌月分から支給が始まり、過去にさかのぼっての支給は原則ありません。迷っているあいだの月の分は戻らないため、対象の可能性があれば早めの申請が大切です。詳しくは専門機関へご相談ください。

所得が高いと、もう申請しても意味がないですか?

所得が限度額を超えると「支給停止」になりますが、受給資格者としての認定自体は受けておける場合があります。認定を受けておけば、翌年に所得が下がったときなどに、あらためて支給が始まる道が開けます。具体的な限度額や所得の計算方法は複雑で自治体により案内も異なるため、実際の数字をもとに窓口でご確認ください。

子どもが20歳になったら手当はどうなりますか?

障害児福祉手当は20歳未満が対象のため、20歳になると支給されなくなります。かわりに20歳以上で在宅の重度障害者を対象とする「特別障害者手当」(令和8年度で月額30,450円)がありますが、この切り替えは自動ではなく改めて申請が必要です。知らないと手当が途切れて取りこぼすことがあるため、20歳が近づいたら早めに窓口で確認しておきましょう。詳しくは専門機関へ。

※この記事は2026年6月時点の情報をもとに、「特別児童扶養手当等の支給に関する法律」などにもとづく特別児童扶養手当・障害児福祉手当の一般的な内容をわかりやすくお伝えするものです。手当の金額は毎年度改定され、所得制限の限度額・申請手続き・必要書類・支給月などの具体的な運用は、お住まいの自治体によって異なる場合があります。記載した金額は令和8年度(2026年4月分から)のものです。実際の申請可否や手続きについては、お住まいの市区町村の障害福祉担当窓口や、福祉事務所、相談支援専門員に必ずご確認ください。

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