一般社団法人広域重度ケア連携機構
ARTICLE

【一般向け】強度行動障害を知っていますか。

 記事

強度行動障害について説明しています

一般向け啓発LP

「強度行動障害」を
知っていますか

行動の奥にある声に耳をすませて。目に見える行動だけで判断せず、その背景にある不安や困りごとを理解するためのページです。

「困った人」ではなく、
「困っている人」として見る。

視覚的な予定カードを使いながら、感覚的な不安を抱える若者に穏やかに寄り添う支援者のイメージ
叱る前に、押さえる前に、まず「なぜ起きているのか」を考える。

強度行動障害とは何か

自分自身を傷つける、他人を叩く、物を壊す、激しいこだわりやパニックを示すといった行動が、著しく高い頻度や強さで現れ、本人の生活や周囲の対応が極めて困難になっている状態を指します。

病名ではなく、環境との関係で現れる「状態」

大切なのは、これが「生まれつきの病名」ではないという点です。 多くの場合、重度の知的障害や自閉スペクトラム症といった特性を持つ人が、周囲の環境や関わり方とうまく噛み合わないことで、結果として現れる状態だと理解されています。

つまり、その人の「性格が悪い」わけでも「わがまま」なのでもありません。 環境が変われば、行動も大きく変わりうるのです。

🧍 自分を傷つける 頭を打ちつける、手を噛むなど
他人や物への強い行動 叩く、物を壊す、大きな声を出すなど
🌀 強いこだわりや混乱 予定変更で強い不安やパニックが起きる
🌙 生活への深刻な影響 眠れない、極端な偏食が続くなど
電車内の騒がしさで感覚的な負担を感じる若者と、そばで静かに寄り添う家族のイメージ

行動は「言葉にならないSOS」

激しい行動を目にすると、つい「危ない人」「コントロールできない人」という印象を抱きがちです。 けれども、こうした行動の多くは「言葉にできない思いの表現」かもしれません。

うるさくて耐えられない
予定が分からなくて不安
体のどこかが痛い
この場所が怖い

言葉でうまく気持ちを伝えられない人にとって、行動こそが唯一のコミュニケーション手段であることがあります。 だからこそ、目に見える行動だけで判断せず、背景にある声を読み解く視点が欠かせません。

環境が変われば、行動も変わる

強度行動障害は、環境との相互作用のなかで強まったり弱まったりします。本人に合わない環境が重なると不安は高まり、本人に合った支援が整うと落ち着きにつながることがあります。

1行動が強まりやすい状況

騒がしすぎる場所、急な予定変更、見通しの立たない状況、意思が伝わらないもどかしさ。 こうした要因が重なると、本人の不安は高まり、行動として表れやすくなります。

2落ち着きにつながる工夫

静かな環境を整える、写真や絵カードで情報を伝える、一日の流れを目で見て分かるようにする。 本人に合った支援は、安心感を生み出します。

支援に必要なのは、力ではなく理解

叱ったり力で押さえつけたりすることは、本人の不安を高め、状態を悪化させてしまうことがあります。大切なのは、行動の理由を探り、安心できる関わり方を積み重ねることです。

🔍

背景を探る

目に見える行動だけで判断せず、何が苦しさの原因になっているのかを丁寧に見ます。

🧩

分かりやすく整える

予定、場所、手順を見える形にし、安心できる構造化された環境をつくります。

🤝

孤立を防ぐ

家族だけに負担を背負わせず、地域や支援者がつながりながら支えることが必要です。

まずは、知ること。 そして、自然に受け止めること。

社会の一員として、私たちにできること

強度行動障害のある人とその家族は、しばしば社会のなかで孤立しがちです。 外出先での視線、受け入れの難しさ、緊急時に頼れる場所の少なさ。 支える家族の負担は、想像以上に重いものです。

街中でそうした人や家族を見かけたとき、過剰に身構えたり好奇の目を向けたりせず、ごく自然に受け止めること。 それだけでも、当事者や家族にとっては大きな救いになります。

家族と地域の人々が自然に関わり、孤立を防ぐ共生のイメージ

排除ではなく、共に生きる方向へ。

強度行動障害のある人は、「困った人」ではなく「困っている人」です。 激しい行動の奥にある声に少しだけ耳をすませてみることから、誰にとっても生きやすい社会は始まります。

ページの先頭へ戻る

※このページは一般向けの理解促進を目的とした啓発LPです。個別の支援や対応については、専門機関・支援者へご相談ください。

関連記事

重度訪問介護を 子どもが使えるようになるまで 重度訪問介護を 子どもが使えるようになるまで 障害児通所支援、 放課後等デイサービスの選び方を説明します 【家族向け】特別児童扶養手当と障害児福祉手当、もらい忘れていませんか 【家族向け】特別児童扶養手当と障害児福祉手当、もらい忘れていませんか 特別児童扶養手当と障害児福祉手当について 障害児通所支援、 放課後等デイサービスの選び方 障害児通所支援、 放課後等デイサービスの選び方 発達に支援が必要なお子さんや、障害・医療的ケアのあるお子さんを育てるご家族に向けて、放課後等デイサービスを中心とした障害児通所支援の選び方を解説します。まず制度全体の地図を示し、利用開始までの手続きの流れや費用のしくみを整理。そのうえで、お

ご相談・お問い合わせ

記事の内容や連携に関するご相談は、お問い合わせページからご連絡ください。個別の制度利用や医療判断は、関係する専門機関にもご確認ください。

お問い合わせへ

← 記事一覧へ戻る